もう昨年暮れから関係者やファンを気になる話題で振り回してくれているDisney社ですが、今現在一番ホット(いや全然嬉しいネタではないが)な話題は、なんと言ってもOvitz問題でしょうなぁ。
最近こんなニュースがアップされてます。
・Ovitz: Eisner Blocked My Plans for Disney(Yahoo! Finance Associated Press)
・Ovitz testifies about "difficult days" at Disney(Latest News and Financial Information | Reuters.com)
これはDisney社の株主のグループが元社長マイケル・オービッツ氏の退任時の支払金1億4千万ドルが不当なものとして集団訴訟を起こしているもので、被告はオービッツ氏アイズナー氏及び会社幹部。14ヶ月という在任期間に対しその補償額はあまりにも不当なものではというのが主張で、訴訟が起こされてから7年以上たつというもの。その裁判が水曜日から始まり、当事者の発言なんかが話題になっちゃったりしてます。
詳しくかくとそれだけですんげぇボリュームになるんで簡単にかいつまんで補足を。
そもそもこのマイケル・オービッツ氏は、Disney社においてフランク・ウェルズ氏死去により空席になった社長の座を巡ってもめたジェフリー・カッツェンバーグ氏との対立の後、マイケル・アイズナー氏が招聘した人物。「ハリウッドで最も権力のある男」ともたとえられたというタレント・エージェントのトップ会社CREATIVE ARTISTS AGENCY(CAA)の創業者であるオービッツ氏は以前からアイズナー氏と親交があり、どうしてもカッツェンバーグ氏を社長にしたくないアイズナー氏がほとんど無理矢理連れてきた社長。就任当時はそのコネクションを元に多くのクライアントや企業との連携強化が期待されました。時期的にもABCの買収が決まったあとでしたし。マーティン・スコセッシ監督やショーン・コネリーとの契約、コカ・コーラ社との契約などもCAAからもってくるなど最初こそプラスとなる点もありました。
が、その権力が裏目にでたのか、アイズナー氏との連携体制に問題があったのか、しばらくすると社内外でいろんないざこざを起こしてしまい立場が危うくなってしまうというなんともトホホな展開に。今までがずっとトップでやってきた人物なだけに独断専行もあったりして、各部門のエキスパートがそろい彼らが協調しあって事業を進めてきたDisney社内では次第に不協和音が。トラブルは招聘したアイズナー氏にも影響が出始め、自分が連れてきた手前なかなかクビにすることができず困った状態。有能な幹部であった最高財務責任者スティーブ・ボレンバック氏はホテルチェーンで有名なヒルトンに最高経営責任者として移籍してしまい、その影響は大きく辞職を表明する幹部が多くなってきてしまいただごとではなくなってしまいました。これじゃぁダメだということで大金つかませてやめていただいた、というのがこの退職に至る経緯で、この退職金が「不当じゃぁねぇかゴラァ」とお怒りなワケですね。
裁判の中でアイズナー氏によるオービッツ氏を "psychopath" with a "character problem." と記したメモ(!)が読み上げられるなども話題に。また、オービッツ氏側は音楽部門ハリウッド・レコードの事業拡大(ジャネット・ジャクソンとの契約やSonyとの合弁事業の画策等)や、出版部門のテコ入れなどに精力的に活動したもののすべてアイズナー氏に反対されたとの発言もあったりします。
確かに、ゴタゴタがあってそれを収束させるためにやったこととはいえカネにモノいわせてやめさせたやり方も問題アリアリですし、このときの対応のまずさがその後大きな問題となって跳ね返ってきてると思われます。まぁ、やめるときの条件も契約時に組み込むことが多いので退任時に交渉しててよりは契約時にすでにそうなっちゃってるってこともあるかもしれませんがねぇ。離婚するときのこと結婚時に契約しちゃう、そういう文化ですし。
まぁ今更、なんですが、このオービッツ氏解任のときにアイズナー氏の権力も分散させておけば今のようなおかしな状況にはならなかったかも。(まぁ、それ前にカッツェンバーグ氏との確執もあるんですけど) この後に社長に就任するロバート・アイガー氏も役割分担が明確でCEOと組んでともに会社をひっぱるって印象は薄い気がするし。
こんなゴタゴタが続くようでは今まで築き上げてきたブランド・イメージも台無し。(いや、もうだいぶイメージ悪いけど) もう今より落ち込むことはないと思うくらいどん底の状態のDisney社。これからは今までの様々な問題を教訓によい方向に向かうような努力をしてほしいですな。
やはりクリエイティブな指揮官と、その裏方として実務経験豊富な優秀な人物が組んで会社を率いていくのがいいと思うんですけどね。ウォルトとロイ、アイズナーとウェルズ、みたいな。うれしくないニュースが続いて寂しい限りですが、なんとか回復してほしいものです....